桑名隆一郎医師が掲載された新聞記事

脱毛と育毛(4)、画期的な治療例 相次ぐ

1995年(平成7年)9月29日(金曜日)中日新聞より

高知市内にある高知赤十字病院には毎週水曜日の午後、日本でただ一つの「脱毛症外来」が常設されている。専門医が抜け毛の状態を診察し、外用剤を投与する。健康保険が適用される薬も一種類だけある。

「“毛はえ薬”というと、何となくいかがわしさを感じさせるようですが、今や決して非現実的なものではないのです」と話すのは、脱毛症外来を担当する皮膚科部長の桑名隆一郎さん。

保険薬だけでも、約三カ月の治療で顕著な効果が表れることがあり、その場合、治療費はわずか数千円で済む。

桑名さんは昨年までに、「桑白皮(そうはくひ)」と呼ばれる中国産の桑の木の外皮が、老化が原因で起きる「男性型」の抜け毛によくきくことを突き止めた。

抜け毛は、通常二〜三カ月で終わるはずの毛髪の成長の休止期が長くなり、最後に成長期がなくなってしまうことから起こる。

休止期の毛母細胞を、植物系生薬エキスの刺激で目覚めさせようと、約百種類の植物で実験を繰り返すうちに、桑白皮に育毛効果があることが分かった。

毛を刈ったウサギによる動物実験では、何もしない場合より五週間、また、育毛効果が認められているペンタデカン酸グリセリドを塗った部位よりも三週間早く、新たな発毛が認められた。

さらに、臨床試験でも、九十人の脱毛症患者のうち五十七人から、新しい産毛や硬毛が生えてきた。

東京女子医大教授(形成外科)の若松信吾さんは「評価方法がまだ確立されていない分野なので、さらに症例を積み上げていく必要はあるものの、改善率六四%というデータは画期的だ」と評価する。

「今のところ、老化による頭頂部の脱毛症だけに効果が限られているので、日本医学育毛協会=052(221)7544=加盟の医療施設で患者の症状を確かめてもらい、そのうえで医薬部外品として使ってもらっています」と桑名さん。「保険がきかないので、二カ月分、百五十ミリリットルで二万円とまだまだ高いが、他の生薬との併用で育毛効果を高めるとともに、値段を安くできるよう努力したい」と話している。

さて、できれば高い育毛剤を買わなくてもいいように、桑名さんに抜け毛予防のポイントを挙げてもらった。

  1. シャンプーを使い過ぎない。
  2. 良質のタンパク質やビタミンB、C、Eをたくさんとる。
  3. 頭に血が回るように夜はぐっすり眠る。
戻る