1、気になる“ヘア”に注目

『よみがえる黒髪』より

自然脱毛とアブナイ脱毛

ヒトの頭髪は約十万本といわれ、毎日五十〜百本が生え変わっています。すなわち、この本数の毛が脱落し、同数の毛が新たに生えてきているわけです。ですからこの範囲の抜け毛は正常であり、自然脱毛といえます。また、九月から十月にかけて一時的に抜け毛が多くなることがあり、その本数は通常二百本/日、多いときには三百本/日ともいわれます。いわゆる“秋の抜け毛”で夏の体力消耗などが原因といわれますが、これも生理現象であり、自然脱毛の一種と考えてよいでしょう。

硬毛
うぶ毛

では、アブナイ脱毛とは・・・・・第一に抜け毛の量が多い場合です。男性型脱毛症の進行期や、円形脱毛症の急性期には、毎日千本以上の毛が抜けることがあります。この場合、日に日に毛が薄くなってしまいます。 第二にうぶ毛(軟毛)が抜ける場合です。通常では二〜六年の成長期を終えた毛が休止期に入って抜けるわけですので、大きな硬毛が抜けます。この硬毛はそれまでに理容店で数回カットされていますから、先端が角ばっています。これに対して男性型脱毛症などでは、うぶ毛が硬毛になれず、うぶ毛のままで抜け落ちてしまいます。このうぶ毛はまだ一度もカットされていませんので、先が細くなっています。ですからうぶ毛脱毛はアブナイ脱毛であり、若ハゲの前兆といえます。図にうぶ毛脱毛を伴う若ハゲ初期の症例を示します。ちょっと見にははっきりしませんが、髪をかき上げていくと前頭部から頭頂部にかけて、うぶ毛の割合が異常に増えているのが分かります。

これが危険信号

ある円形脱毛症の患者さんの話・・・・・寒い冬の日、早く湯船に入ろうと急いで洗髪をしていた。ところが妙に足が暖かくなってきたので足もとを見ると、足首まで湯が溜まっている。「これはおかしい・・・・・」と思って排水口を見て飛び上がった! なんとそこには、抜け毛がサッカーボールのような黒い固まりとなって排水口をふさいでいた・・・・・というのです。これはたいへん極端な例ですが、たいがいの方は寝起きの枕やブラシについた抜け毛で、脱毛に気づくことが多いようです。このように、脱毛症になりかかっているという危険信号にはまず、抜け毛があります。しかもそれが量的に異常に多く、二〜三ヶ月異常続くと赤信号といえましょう。また、量的にはそれほどでなくても軟毛が抜ける場合も同様です。

この抜け毛以外にも、将来の脱毛を暗示する危険信号は数多くあります。フケ症などの頭皮の不潔、肩凝り・喫煙などによる頭皮への血液循環不全、腎・肝・肺疾患、慢性の貧血、塩分の取り過ぎによる高血圧症などの全身疾患、夏期のヘルメット着用・・・・・などなど。思い当たる節のある方は一度、皮膚科専門医を受診してみましょう。

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