2、あなたにできる脱毛予防

『よみがえる黒髪』より

体の不調を解消する

体のために良いことばかりやっていればいちばんいいのですが、なかなかそうはいきません。それどころか、朝寝坊、夜更かし、食べすぎ、飲みすぎなど、むしろ体に悪いことのほうが楽しくできておりますので厄介です。言うは易く、行うは難し・・・・・ですが、十分な食事をとって、適度な運動をしてください。そして、毛がよく伸びるといわれる夜は十分な睡眠をとりましょう。睡眠中よく毛が伸びるのは、夜は筋肉の活動が低下し、かつ、頭皮が心臓と同じ高さにまで下がるため毛包の循環血液量が多くなるからでしょう。

また、体調が悪く、毛も薄くなったという時は一度、内科を受診しましょう。貧血、糖尿病、肝硬変、甲状腺機能低下症などの全身疾患が潜んでいる場合があります。

カツラの着用について

ある患者さんが当院脱毛症外来を受診したキッカケは以下のとおりです。

このおばあさんは数年間カツラを愛用し、周囲もおばあさんの毛が薄いことをすっかり忘れていました。ところが、ある日、お葬式に参列し皆が一列に並んでお位牌を見送っていたその時、急に強い風が吹き、なんとそのご自慢のカツラがお位牌の方へ飛ばされてしまいました。「あっ、おばあさんのカツラが飛んだ!」と式場は大騒ぎとなり、当の本人はカツラをつかんで家に逃げ帰りました。そして悔しくて夜も眠れず、知人の紹介で当院へ駆け込んできたのです。このようにカツラは一般にまだ市民権を得ていない面もありますが、使い方によっては逆にかなり有効です。

ストレスが円形脱毛症のみならず、男女の若ハゲにも悪影響を及ぼしていることは間違いありません。そしてさらに悪いことに“ハゲていること”自体がまた、大きなストレスになって悪循環に陥っている場合も多いのです。そこで脱毛を隠す意味でカツラを着用した方が精神的安定が得られ、ひいては脱毛の進行予防につながることがあります。また、ある一定以上の広範囲の脱毛症は育毛剤のみでは完治しませんので、育毛剤による治療を助ける意味でもカツラの併用が好ましいかと思います。ただ、頭皮が蒸れないようにすること(特に夏場)と、止め具(ストッパー)の圧迫による脱毛に注意してください。また、多額の出費や一度着用すると外しにくくなる点も要注意です!

脱毛を促す生活習慣を変える

以上、脱毛予防につながるヘアケア、生活習慣について簡単に述べてきましたが、いかがだったでしょうか? 「えっ!」という意外な面を指摘された方もおいででしょうし、逆に「なるほど!」と思い当たる節の多かった方もいらっしゃるでしょう。もちろん、これだけで育毛効果が期待できるものではありませんが、育毛剤による脱毛症治療と並行して、各人が無理のない範囲でいい方向へ生活習慣を変えていっていただけたら・・・・・と願っております。

「えっ、でもこんなことを全部守るの?」とおっしゃる方もたくさんおいででしょうし、「ということは、うっかりアルコールも飲めないし、タバコはもちろんダメか・・・・・。ウーン、そんなことしたらかえってストレスでハゲるんでは?」というのも率直なご意見だと思います。そうです、でもこれはあくまで原則なのです。本人が苦痛と感じることを無理強いしても決して長続きしませんから、「あっ、そういえばそんな注意点があったなあ」と何かの折りに思い出して参考にしてくださればよいのです。このようにライフスタイルに注意しても効果はすぐには出ませんが、気長に取り組んでいっていただければきっと髪の毛が元気になるはずです。

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