3、よみがえる黒髪

『よみがえる黒髪』より

育毛効果に影響する因子について ―病型、病期、年齢、季節など―(後編)

2、女性のびまん性脱毛症

この脱毛症の改善率(著明改善25%、改善以上67%)についてはすでに述べました。ここではどういう場合に育毛剤がよく効くのか、さらに詳しく述べてみましょう。

  1. 病期別改善率

男性と異なり、病型は一つしかありません(すなわち、頭頂部の脱毛のみ)ので、病期別の改善率についてお話ししましょう。図に病期別改善率を示します。男性と違って、特に一定の傾向はなく、初期でも末期でもある程度の発毛が期待できるようです。

  1. 年齢別改善率

男性型脱毛症では高齢者ほど高い改善率が得られましたが、女性ではどうでしょうか? 表に年齢別改善率を示します。やはり、若年者(二十一〜四十歳)に比較して高齢者(六十一歳以上)に高い改善率が得られました。この理由としては次の点が考えられます。

  • 若い時期にすでに発症するということは、それだけ病的な脱毛の因子(ハゲやすい体質)が強く関与しており、病気の勢いが強い。
  • 若い人ほど洗髪やブラッシングなどの過度のヘアケアを改めようとしないが、高齢者はそれほどのヘアケアをしない。
  • 若年者と比較して高齢者は時間的に余裕があり、規則正しく薬を外用できる。
女性のびまん性脱毛症の年齢別改善率
21〜40歳41〜60歳 61歳〜 
50% 63% 76%
  1. 季節別改善率

季節による改善率の変動を表に示します。男性と異なり、大きな変動はみられませんでした。すなわち、どのシーズンに外用してもかなりいい結果が得られるということです。この原因として、男性ほど夏に体力が低下しないこと、また、男性と比べると屋外に出る時間が少ないので、紫外線、高温、発汗などの脱毛要素を回避できること、などが考えられます。

女性のびまん性脱毛症の季節別改善率
1・2・3月4・5・6月7・8・9月 10・11・12月
72% 67% 62% 65%
あとがき

以上、男性型脱毛症、女性のびまん性脱毛症の患者さんの「どんな場合によく効くのか・・・・」についてお話ししました。これでご自分の頭にはどのくらいの確率で発毛が期待できるのか、お分かりいただけたことと思います。育毛効果をここまで詳しく分析した書物はたぶん、今までないはずですので「このデータが少しでも皆さんのお役に立ってくれれば・・・・」と期待している次第です。

しかし「これまでにも育毛剤はたくさんあったが、特に効いたものもないようだし・・・・何か信じられんなぁ」という方もおられるかと存じます。では、この桑白皮エキス、柿葉エキスは従来の育毛剤とどう違うのでしょうか。それはひとつには、動物実験や培養細胞を用いた基礎実験、多くの患者さんを対象とした臨床試験で、有効性が確認されていることです。そしてその試験成績が、皮膚科学会で発表されているのです。この育毛剤について発表した学会のプログラムをお見せします。昨年度(94年)の東部支部総会、中部支部総会、西部支部総会のプログラム、そして今年五月、シカゴで開催された The Society for Investive Dermatology(研究皮膚科学会)の抄録です。雑誌やテレビでの広告ももちろん結構ですが、やはり皮膚科専門の医師が集まる学会で発表し、専門医の評価を受け、専門医に認められたものでなければ信憑性が薄いと思うのです。皆が皮膚科学会で育毛剤について発表するようになって、“同じ土俵の上”で議論するようになれば、“統一された育毛効果の判定基準”もでき、育毛剤の社会的信用性もグッと上がると思うのですが・・・・・。現在は各自が“それぞれの基準”で育毛効果を判定しているため、各育毛剤の比較は全く困難で、どの育毛剤がベストなのか見当もつきません。そして学会で発表した内容は論文にまとめ、医学雑誌に掲載するのが一般的ですので、現在、私もこれらの学会で発表した内容を論文にまとめているところです。

以上、桑白皮エキス、柿葉エキスの期待される臨床効果についてお話ししましたが、最後に、脱毛症の治療を受けられる患者さんに、一つのスローガンを提供したいと思います。それは「四十歳まで初期でいよう!!」です。男性も女性も、四十歳を過ぎれば育毛効果が高まります。その時点ですでに末期ですと、多少毛が生えても満足感は得られませんが、初期ならばほとんど正常にまでもってゆくことも夢ではないのです。そして、いつまでも若々しい気持ちで人生をエンジョイしていただけたら・・・・・と願っている次第です。

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